しめ縄、⽶俵、しめ飾り。
わら細⼯は、稲作とともに始まった ⽇本最古の貴重な⽂化です。
原料のわらは⾃然界からの贈り物。
地・⽔・⽕・⾵。
⼤⾃然の恵みを栄養にして育つわらには、
豊かな「⽣命⼒」がこもります。

しめ縄、⽶俵、しめ飾り。
わら細⼯は、稲作とともに始まった
⽇本最古の貴重な⽂化です。
原料のわらは⾃然界からの贈り物。
地・⽔・⽕・⾵。
⼤⾃然の恵みを栄養にして
育つわらには、
豊かな「⽣命⼒」がこもります。

⼀粒のもみから顔をのぞかせる、⼩さな命。
それが、お⽶の始まり。稲とわらの始まり。
ここは、南信州伊那⾕。
アルプスに雪が残る5⽉。
若草⾊の苗が、⽔⽥にそよぎ始めます。

背丈を伸ばし、葉を増やし、
⽔⽥が緑⼀⾊に染め変わる真夏。
やがて咲くのは、⼩さく可憐な⽩い花。
ほんの数時間で咲き終わり、
受粉を済ませると、実りの準備が始まります。

⼤地が⻩⾦に輝く収穫期。
稲穂は、お⽶に。茎と葉は、わらに。
命は余すことなくいただくもの。
それが、先⼈たちの知恵。
わらを抱く⼿に、サスティナブルな精神が息づきます。

⼭々が⽩銀に輝き、
⾃然界が眠りに⼊る真冬。
わらは、職⼈の⼿によって
新たな命を吹き込まれ、
暮らしに役⽴つ美しい製品へと⽣まれ変わります。

⼀粒のもみから顔をのぞかせる、
⼩さな命。
それが、お⽶の始まり。
稲とわらの始まり。
ここは、南信州伊那⾕。
アルプスに雪が残る5⽉。
若草⾊の苗が、
⽔⽥にそよぎ始めます。

背丈を伸ばし、葉を増やし、
⽔⽥が緑⼀⾊に染め変わる真夏。
やがて咲くのは、⼩さく可憐な⽩い花。
ほんの数時間で咲き終わり、
受粉を済ませると、
実りの準備が始まります。

⼤地が⻩⾦に輝く収穫期。
稲穂は、お⽶に。茎と葉は、わらに。
命は余すことなくいただくもの。
それが、先⼈たちの知恵。
わらを抱く⼿に、サスティナブルな
精神が息づきます。

⼭々が⽩銀に輝き、
⾃然界が眠りに⼊る真冬。
わらは、職⼈の⼿によって
新たな命を吹き込まれ、
暮らしに役⽴つ
美しい製品へと⽣まれ変わります。

わら物語

稲作の起源は諸説ありますが、縄文時代にさかのぼると言われています。古事記には、天照大御神の孫、瓊々杵命(ににぎのみこと)が三種の神器と稲を携えて降臨し、瑞穂の国を造ったと記されています。稲の伝来以降、稲わらは日本家屋の屋根や壁に、俵や草鞋やみのなど暮らしの道具の素材として利用され、数千年間、日本独自のわら文化として発展してきました。
ライフスタイルが変化し、稲作が減少しつつある現代。わら細工職人の数は激減しており、わらの伝統技巧は大変貴重なものになっています。

瑞穂の国とわらの歴史

稲作の起源は諸説ありますが、縄文時代にさかのぼると言われています。古事記には、天照大御神の孫、瓊々杵命(ににぎのみこと)が三種の神器と稲を携えて降臨し、瑞穂の国を造ったと記されています。稲の伝来以降、稲わらは日本家屋の屋根や壁に、俵や草鞋やみのなど暮らしの道具の素材として利用され、数千年間、日本独自のわら文化として発展してきました。
ライフスタイルが変化し、稲作が減少しつつある現代。わら細工職人の数は激減しており、わらの伝統技巧は大変貴重なものになっています。

古来より神事に使われてきた稲わら。その代表が神社のしめ縄です。たくさんのわらであまれるしめ縄は、神様の通り道。神の領域と現世を隔て、不浄なものが入らないようにする結界です。しめ縄の「しめ」は神様が占める場所を指すとも言われます。わらを神聖なものとして大切に育んできた日本人の心がしめ縄に現れています。

しめ縄は神の通り道

古来より神事に使われてきた稲わら。その代表が神社のしめ縄です。たくさんのわらであまれるしめ縄は、神様の通り道。神の領域と現世を隔て、不浄なものが入らないようにする結界です。しめ縄の「しめ」は神様が占める場所を指すとも言われます。わらを神聖なものとして大切に育んできた日本人の心がしめ縄に現れています。

お正月が近づくと、各家庭に飾られるしめ飾り。それは、年の初めに家屋を清めて歳神様をお迎えする神聖なもの。伊勢地方ではしめ飾りは疫病から守り、福を呼ぶものとして一年を通して玄関先に飾られます。日本のお正月に欠かせないしめ飾りですが、最近は外国産が多く見られます。これも稲作の減少がもたらした現象の一つだと言えるでしょう。

歳神様をお迎えする
しめ飾り

お正月が近づくと、各家庭に飾られるしめ飾り。それは、年の初めに家屋を清めて歳神様をお迎えする神聖なもの。伊勢地方ではしめ飾りは疫病から守り、福を呼ぶものとして一年を通して玄関先に飾られます。日本のお正月に欠かせないしめ飾りですが、最近は外国産が多く見られます。これも稲作の減少がもたらした現象の一つだと言えるでしょう。

収穫したばかりの稲わらの香りは清々しいもの。その芳しい香りに癒されてリラックスするという人は多くいます。最近は各界の研究者たちが、稲わらには田んぼの窒素を浄化する高い機能があるうえに、濁水の汚れを吸着する機能があると報告しています。
神社や住まいを清めると伝承されてきた稲わらの浄化作用やリラックス効果、環境保全の有用性が公になる日は近いかもしれません。

わらのリラックス効果と
浄化作用

収穫したばかりの稲わらの香りは清々しいもの。その芳しい香りに癒されてリラックスするという人は多くいます。最近は各界の研究者たちが、稲わらには田んぼの窒素を浄化する高い機能があるうえに、濁水の汚れを吸着する機能があると報告しています。
神社や住まいを清めると伝承されてきた稲わらの浄化作用やリラックス効果、環境保全の有用性が公になる日は近いかもしれません。

国技「大相撲」の土俵は、勝藁(かちわら)で製作されています。勝藁とは、1500年前からあると言われる在来種「白毛餅米」のわらの別称です。白毛餅米は、南信州伊那谷だけにわずかに残る貴重な古代米。地に倒れにくい力強さ、太さと長さ、しなやかさを特徴としています。
さて、相撲界では負けることを「土が付く」と言い、負ければ「黒星」、勝てば「白星」が星取表に記されます。白毛餅米は強風に倒れて土が付くことが少ないうえに、その名も「白毛」。しかも餅米には粘りがあるため、「勝負強く、縁起が良いわら」として土俵に用いられるようになりました。
この稲わらを「勝藁」と命名して土俵を製作しているのが、私たち。大相撲の土俵を製作できる日本唯一の職人集団、わらむです。ちなみに、一つの土俵に使用する俵の数は、66俵。中に土や砂利などを詰めて、お相撲さんたちが踏ん張っても壊れないように堅固に、毎年6場所の土俵を製作しています。

大相撲の土俵の
わらの名は「勝藁」

国技「大相撲」の土俵は、勝藁(かちわら)で製作されています。勝藁とは、1500年前からあると言われる在来種「白毛餅米」のわらの別称です。白毛餅米は、南信州伊那谷だけにわずかに残る貴重な古代米。地に倒れにくい力強さ、太さと長さ、しなやかさを特徴としています。
さて、相撲界では負けることを「土が付く」と言い、負ければ「黒星」、勝てば「白星」が星取表に記されます。白毛餅米は強風に倒れて土が付くことが少ないうえに、その名も「白毛」。しかも餅米には粘りがあるため、「勝負強く、縁起が良いわら」として土俵に用いられるようになりました。
この稲わらを「勝藁」と命名して土俵を製作しているのが、私たち。大相撲の土俵を製作できる日本唯一の職人集団、わらむです。ちなみに、一つの土俵に使用する俵の数は、66俵。中に土や砂利などを詰めて、お相撲さんたちが踏ん張っても壊れないように堅固に、毎年6場所の土俵を製作しています。